カカオディレクターと名乗る石原紳伍(いしはら しんご)氏は、アロマ生チョコレート専門店「ca ca o(カカオ)」を運営しているジャーニーカンパニーの代表者です。
元々はチョコレートを食べると頭痛がして、チョコレートは嫌いだったそうです。しかし、飲食店のプロデュースをしていた彼が、世界中の食文化に触れる旅の中で、新鮮なカカオ豆から作られたチョコレートを食べたとき、チョコレートに対する見方が変わりました。
生のカカオ豆はパッションフルーツのような、パイナップルのような、甘酸っぱい果物の味わいがします。石原氏がカカオの農産国で食べた、新鮮なカカオ豆で作られたチョコレートには、生のカカオ豆が持つフルーティな味わいと、いままで知らなかった芳香がありました。
石原氏はその味に魅了されるとともに、なぜ、自分がそれまでに食べたチョコレートはおいしくなかったのかと考えました。
そして、チョコレートのクオリティは、カカオの品種や産地、生産の工程の違いにより、大きな差が出ることを知り、チョコレートに魅了されるようになりました。
チョコレートのクオリティに大きな差がでる事が解ったからです。
石原氏がチョコレートに魅了された理由はもうひとつあります。
それはコロンビアで見た、カカオ農産国のチョコレートと寄り添う人々の生活風景です。
一般にチョコレートのできあがるまでの工程で、歴史的な関係もあり、カカオ豆の農産国と、それをチョコレートにする工業国は別です。しかし、コロンビアはいま農産国であり、同時に工業国として、農産からチョコレート製造まで一貫して手掛けています。
実は人々が毎朝カカオを飲む、カカオの一大消費国コロンビアは、以前は隣国などからカカオ豆を輸入していました。ICCO「国際ココア機関」によりフィノデアロマカカオ豆と認められ、世界的にも希少なカカオ豆であることがわかってから、国家戦略として、生産体制を強化しています。
元々、石原氏は飲食を軸に「日々の暮らしを豊かにするプロダクトをつくりたい」と思っていました。コロンビアからすばらしいチョコレートを直輸入して、「生産者の想いを生活者へ届けたい」「チョコレートで日本のライフスタイルを豊かにしたい」、そして日本で「高級チョコレートを贈物ではなく、日常生活に楽しんでもらいたい」そんな思いで、「ca ca o(カカオ)」を立ち上げました。