昨年に続き、今年も「マツコの知らない世界」に楠田えりこさんが登場して、チョコレートの世界を紹介しました。
充実した内容でしたが、チョコレート入門したての方には、知らない用語や、意味がよくわからないところもあったと思うので、詳細解説をつけて紹介します。
■モンマルトルの注目ショコラティエ、ジル・マルシャルの奥様は日本人
■日本のテレビ初公開 ピエールマルコリーニのチョコレート工場
お取り寄せできるチョコレート一覧
まずは番組で登場したチョコレートやチョコレート用ナイフの中で、お取り寄せできるものの紹介から。
≪フィリップ・ベル≫
楠田枝里子さんがサロン・デュ・ショコラ・パリで試食して「すみれのガナッシュ」と言っていたものは、伊勢丹のサロン・デュ・ショコラ<セレクションボックス> 「Fleur(フルール)」(10人のトップショコラティエが「花」をテーマに作ったボンボンショコラのセット)に入っている「<フィリップ・ベル>ヴァイオレット」だと思われます。
≪ブルーノ・ルデルフ≫
楠田枝里子さんがサロン・デュ・ショコラ・パリで試食して「蕎麦だー」と叫んでいたチョコレートは、伊勢丹のサロン・デュ・ショコラで売られている「レ スペシャリテ ブルトンヌ」(ボンボンショコラセット)に入っている、そば粉のガレットをイメージした、そばの実のプラリネとそばの花の蜂蜜を加えたレモンガナッシュの二層仕立てのショコラのガレットショコラや、そばから作ったウィスキーのガナッシュやボルディエバターを使ったキャラメルなどかと思われます。
≪アルノー ラエール≫
マツコさんも試食した燻製が香るチョコレートは、高島屋スペシャルエディションに入っている「フュモワ」です。
≪小山進≫(チョコレート用ナイフ)
龍泉刃物 公式オンラインショップ 『 チョコレート所作 3点セット』(ボンボンショコラナイフ + レザーケース + カッティングボード) 】22,680円(税込)
http://ryusenhamono.shop-pro.jp/?pid=110854760
ゴールドタブレット受賞作。マツコさんが食べた醤油のチョコレートの他、奈良漬など、「え!?」という味のものが入っているのに、主張しすぎず、ちゃんとチョコレートとしておいしいチョコレートが行ったセットは伊勢丹で売っています。
「SUSUMU KOYAMA CHOCOLOGY2016」
Human〜coexist with nature」
≪辻口博啓≫(チョコレート用ナイフ)
ワイルドカカオ ショコラセパレーター3,600円 (税込)
≪ジャン=ポール・エヴァン≫
ボワットゥ ショコラ16個入フレンチキス
ボワットゥ マニエティック50個入
伊勢丹のサロン・デュ・ショコラではそのままのセットが、東急百貨店や婦人画報ではもう少し数が少なく、手ごろな価格のセットが売っています。
≪ジル・マルシャル≫
ジル・マルシャルさん自身のブティックは日本で発売されていませんが、ジル・マルシャルさんが大御所ミッシェル ジョーダンから任された「メゾン ジョーダン」のチョコレート、マツコさんもスタジオで試食した「パヴエ・ノワール」などはサロン・デュ・ショコラや高島屋で購入可能です。
≪ピエールマルコリーニ≫
楠田えりこさんが世界一美味しいギモーブチョコレートと称賛するマシュマロチョコレート「クール エ ギモープ」。
今シーズンの新作は「カカオ グラン クリュ」。
楠田枝里子さんがピエール・マルコリーニの工場見学の際に目の前で開発されていたショコラです。
食べたマツコさんは「(開発時)あんなにいろいろ調味料を、加えていたのに、食べると、そのままアーモンドをチョコレートに入れただけみたい。前に来るのはアーモンドの味!」と感心していたのは、「カカオ グラン クリュ」の中の「アーモンドプラリネグランクリュ」です。
あちこちのデパートからお取り寄せできます。
サロン・デュ・ショコラ・パリ
日本の高級チョコレートの季節はバレンタインデー前の1月からですが、一般のチョコレートの季節、および欧米の高級チョコレートを含むチョコレートの季節は毎年10月から3月です。
去年に引き続き、楠田えりこさんがチョコせーとの世界の案内人として登場しました。
「トイレに行ってはいけない」、果ては「瞬きもしてはいけない」と楠田えりこさんが言うくらい、まあ、スペシャリテな映像がたくさんありました。
まずは本場フランスの「サロン・デュ・ショコラ・パリ」へ。楠田えりこさんが行ったのは、本開催日の前日の招待日。2016年10月27日でした。
………………………… 解説 …………………………
サロン・デュ・ショコラの詳細解説は
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サロン・デュ・ショコラとは
サロン・デュ・ショコラの本家はパリですが、現在では世界各国で開催されるようになり、日本では2003年から伊勢丹が開催しています。
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ジャン=ポール・エヴァンの新作は
最初に登場したのは、ジャン=ポール・エヴァン。
今年の新作は「コッフルドール レ グラン クリュ」。ペルー、エクアドル、ジャマイカなど、カカオの原産国が違う8種類のチョコが詰まっています。
楠田えりこさんが「この一箱で世界旅行ができるんですね」と言うと、ジャン=ポール・エヴァンはとても喜んでいましたね。
………………………… 解説 …………………………
カカオはコーヒー同様、豆の原産国の違いで、かなり味に違いがあります。
チョコレートの世界を少し知ったら、次にすべきは原産国の違いによるカカオの違いを知り、自分のカカオの好みを知ること。
というわけで、チョコレートイベントなどでチョコレートの専門家におすすめチョコレートを尋ねると、大概、こういうカカオ豆の原産国の違うチョコレートの食べ比べをすすめられます。
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このジャンポールエヴァンの新作の画期的な点は、箱に保冷剤が入れられるスペースが用意されていて、チョコレートに最適な温度を2時間から3時間保てる点です。
………………………… 解説 …………………………
チョコレートを買いに行くときは、保冷バッグと保冷剤が必須です。
昨年のサロンデュショコラの帰り、わたしは保冷バッグに入れたショコラを伊勢丹の冷蔵ロッカーに預けてランチしました。
ところが暖房が効いたレストランのお隣のテーブルに、保冷バッグにも入れず、買ってきた紙袋のまま、ランチしている女子グループを発見、他人事ながら「帰ったらチョコレートが悲惨なことに……」と気になりました。
2016年のサロンデュショコラでは専用の保冷バッグが売られていました。わたしももちろん購入。
ただ、これでは小さくてわたしが買う量のチョコレートは入りませんが……。
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ジャンポールエヴァンの今年のバレンタインコレクションも紹介されました。
ジャンポールエヴァンの今年のテーマは「フレンチタッチ」 。
楠田枝里子さんがマツコさんにプレゼントと渡したのが、キスマークがいっぱいの袋に箱。
最初の「本命用」がボワットゥ ショコラ16個入フレンチキス。
次に「大本命用」として出したのが、ボワットゥ マニエティック50個入です。
「キス フロム ジャポン」と名づけられた日の丸のキスマークのチョコレートは、ヘーゼルナッツのプラリネで、ジンジャーも香るチョコレート。
「キス フロム フランス」と名づけられたトリコロールのキスマークのチョコレートはベルガモットとキャラメルのガナッシュです。
フィリップ・ベルなど有名ショコラティエたちの新作
愛妻家のフィリップベルの「(妻に)出会ってなければあなたと結婚したかも……」というジョークを楠田さんは軽く受け流して、新作を見せてもらっていました。
新作を口にした楠田枝里子さんは「うわあ、すみれ!」
すみれのガナッシュでしたが、これは今年のサロン・デュ・ショコラのセレクションボックスのひとつ、花をテーマにしたセレクションボックス「Fleur(フルール)」に入っているチョコレート「<フィリップ・ベル>ヴァイオレット」だと思います。
ロケの間、あちらこちらで、楠田えりこさんはショコラティエたちと挨拶を交わし、チョコレートを試食していましたね。
まずはフランス国家最高優秀職人章受賞 ローラン ドゥシェンヌ、そしてフランス国家最高優秀職人章受賞のブルーノ・ルデルフ。
楠田枝里子さんはブルーノ・ルデルフのチョコレートに「蕎麦だー」と叫んでいました。
フランスショコラ愛好会「ccc」殿堂入りのアルノー・ラエール」の新作は、ブナの木で薫製させたマダガスカル産カカオ64%のガナッシュを、70%のダークチョコレートで包んだチョコレートでした。
スタジオでマツコさんも食べて、「スモークチーズを食べていたっけ?と思う味」。
楠田枝里子さんは「ベテランならではの技が活きている」と絶賛していましたね。
サロンデュショコラ創始者のシルヴィ・ドゥースさんや世界のカカオエキスパート、フランソワ・プラリュさん、ccc会長ジャック・ペシさんとも、楠田枝里子さんは挨拶していました。
いまパリで注目のショコラティエ、ノエル・ジョヴィ
日本のテレビ初登場はノエル・ジョヴィ。
名前の由来は父と母ががクリスマス(ノエル)に出会ったから……だそうです。
フランスで1800年代から続く老舗チョコレート屋の5代目ですが、日本ではまだほとんど売ってないようです。
新作は「100%ベエズエラ」。ベネズエラ産のカカオ豆を、ベネズエラ産のカカオ豆で作ったチョコレートで包んだお菓子です。
ノエルは「このクリエイションにぴったり合うチョコレートを探すのが大変だった」と語ったそうです。
食べたマツコさんが 「これ、美味しい。これ、売れると思う」 と囁いていました。
中に入っているカカオ豆が硬いのかと思いきや、マツコいわく「サクサクしている」そうです。
日本人ショコラティエが開発したチョコレート専用ナイフ
サロン・デュ・ショコラ・パリの会場を巡っている楠田枝里子さんが、日本人ショコラティエたちからプレゼントされて驚いていた品があります。それがチョコレート専用ナイフです。
ひとりはパティシエとしても名高い辻口博啓氏が開発したチョコレート専用ナイフ。なんとカカオ豆の形をしています。
もうひとりは「エス コヤマ」の小山進さん。やはりパティシエとしても名高い方ですが、6年連続でc.c.c.のゴールドタブレットを受賞しています。こちらはものすごく高価なナイフですね。
ナイフを使うことで、よりチョコレートを味わってほしいと、楠田枝里子さんはこんなふうに使い方とチョコレートの楽しみ方を語っていました。
1)ナイフでボンボンショコラを切って断面を楽しむ、
2)香りを楽しむ、
3)口の中でゆっくり溶かし、喉の奥に落ちる食感と余韻を楽しむ。
続いて、楠田さんは日本人ショコラティエの偉業を語っていましたね。
2016年のサロンデュショコラで発表されたcccの表彰で、小山進さんと辻口博啓さん、土屋公二さんの3名が最高位ゴールドタブレットを受賞したと。
小山進さんのゴールドタブレット受賞作は「SUSUMU KOYAMA CHOCOLOGY2016」 Human〜coexist with nature」というセットになっていて、No.1 醤油ヌーヴォー(カカオ×煮切り醤油×ペドロヒメネス(シェリー酒))、 No.2 鳳凰単叢蜜桃香&マンゴー No.3 コーヒーチェリー(ゲイシャ)&ライチ No.4奈良漬プラリネの4種類が入っています。
マツコさんも食べて、焦がし醤油の良い香りが広がるけど、醤油が主張しすぎない上品さを味わっていました。
楠田えりこさんは「小山さんのクリエーションや彼の姿勢を見ていて、彼はチョコレートの探求者だなと思います」と語っていましたね。
モンマルトルの注目ショコラティエ、ジル・マルシャルの奥様は日本人
楠田えりこさんがパリ、モンマルトルで注目していると、全身チョコレートファッションで訪ねていったショコラティエがジル・マルシャルさん。
5つ星ホテルのシェフパティシエとして名を馳せ、名門チョコレートブランド「ラ・メゾン・デュ ショコラ」でクリエイティブディレクターとして活躍。
現在はモンマルトルの自身のブティックが人気を馳せています。
さらに2016年には、フランスの名店「メゾン ジョーダン」を大御所ミッシェル ジョーダンから任されました。
公私共にパートナーである工藤彩佳さんは日本人。
日本でも彼が継いだ「メゾン・ジョーダン」のチョコレートは売られていますが、まだ彼自身のブランドのチョコレートは売られていないんですよね。
奥様が日本人なんだし、ぜひとも、日本進出してもらいたいものです。
楠田えりこさんのジル・マルシャルブランドのお気に入りは、ピーカンナッツのタブレット。ダークチョコレート70%にキャラメルピーカンナッツの組み合わせ。
ケーキもそろっていて、楠田さんのお気に入りは、チョコレートケーキ「オペラ」。楠田さんいわく「すべてのエレメントが完璧に存在している感じ。抜群ですよ。あらゆる素材のエッセンスが滲み出ている、ほとばしるのを感じます」
「メゾン・ジョーダン」では、ジルさん考案の「パヴエ アントルメ」が注目商品。
ジル・マルシャルがメゾンの世界観を大事にして作ったという新作です。
カカオ、キャラメル、チョコレートムース、プラリネなど、メゾンジョーダンの美味しいものが詰まったケーキです。
楠田えりこさんいわく「パワフルなチョコレートが踊っている感じ。洗練された大人の味わい」
楠田さんも言っていましたが、 メゾンによって作り分けられるというのがすごいですよね。どれだけアイデア、創作意欲が高いのかしら。
マツコさんにキャラメルピーカンナッツをすすめるとき、楠田さんは「これを食べたら、あたりの空気がバラ色に」と。
マツコさんも「これ、うまい。なんでこのナッツがこんなに軽やかに?
甘いのが好きな人も、苦いのか好きな人も、どっちも「美味しい」と言わざるを得ない、ちょうどのバランス」と絶賛していました。
もう1品、「メゾン・ジョーダン」の「パヴエ ノワール」、あの「パヴエ アントルメ」の一部でもあるチョコレートは、マツコさんが「今まで食べた生チョコ系の中で最高!」と、箱を引き寄せ、お持ち帰りにキープしていました。
楠田えりこさんいわく「どんな辛いことがあった日もこの一粒で幸せになれる」。
………………………… 解説 …………………………
「どんな辛いことがあった日もこの一粒で幸せになれる」
これは自分に合うショコラ(高級チョコレート)すべてに言えること。
高級チョコレートは生もので、賞味期限は短いので、買い置くなら、賞味期限内にご褒美チョコとして食べるか、辛い日はチョコレートショップに駆け込むか……がおすすめです。
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日本のテレビ初公開 ピエールマルコリーニのチョコレート工場
ベルギー王室御用達ショコラティエであるピエールマルコリーニ氏。
彼は世界中のカカオ農園を飛び回り、カカオの選別から農園との契約まで自ら行っています。。
そしてカカオ豆の種類やチョコレートの作品により、焙煎方法を変えています。これはショコラティエが最もこだわるポイントです
そして、その後、ペースト状にしたカカオをとかすのですが、ここにマルコリーニのチョコレートが愛される秘密があります。
なんと0.03ミリまで薄く伸ばすんですね。
これがマルコリーニのチョコレートの繊細さを産み出しているのだと思います。
………………………… 解説 …………………………
ショコラ入門したての方だと「カカオの選別から…」をあたりまえのことに思うかもしれません。
でも実は一般のショコラティエは、材料チョコレートを購入して、それを使って、ボンボンショコラなどの作品をクリエイトしています。
自分でカカオの選別から最終製品にするところまで手掛けることは「ビーントゥバー」と呼ばれる特別のこと。
ただ、最近はこの「ビーントゥバー」が流行り、増えています。
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今回は、新作が生まれる心臓部分での新作開発の様子も登場しました。
またギモープ(マシュマロ)チョコレートのコーティング風景も見ることができました。
口どけと歯ごたえを追求したという厚さは約1〜1.5㎜。みごとな薄さのコーティング技術。
マルコリーニが「僕の好きな食べ方」として、冷蔵庫で5分冷やして食べることをすすめていました。
薄いコーティングのチョコレートが硬くなっていて美味しいみたいです。これ、厚いコーティングじゃ、がちがちでダメ。あくまでマルコリーニの薄いコーティングだからおいしいんですよね。
今シーズンの新作は「カカオ グラン クリュ」。
楠田枝里子さんがピエール・マルコリーニの工場見学の際に目の前で開発されていたショコラです。
食べたマツコさんは「(開発時)あんなにいろいろ調味料を、加えていたのに、食べると、そのままアーモンドをチョコレートに入れただけみたい。前に来るのはアーモンドの味!」と感心していたのは、「カカオ グラン クリュ」の中の「アーモンドプラリネグランクリュ」です。
あちこちのデパートからお取り寄せできます。